エーゼロが仕掛けるローカルベンチャースクールの醍醐味

2年前から牧大介さん(エーゼロ 代表取締役)とのご縁で夫婦で西粟倉村と厚真町のローカルベンチャースクール(LVS)のチーフメンター/審査員として関わらせていただいてます。

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日本ではいま地域において活性化を実現するために、創業支援、移住支援、ビジコン、最近ではスタートアップアクセラレーター的な支援も積極的にされたりしています。

僕自身、過去に数多くのビジコンなどのイベントへ行ったのですが、違和感があったことが多々ありました。

まず1つ目としては「応募した方が本気でその事業をやりたいのか?」ということです。
本気というのはやらなければいけないという重たいエネルギーとかはやりのICOやらIoTやら言葉の予定調和的なプレゼンでなく、心の底から湧き出るようなワクワク感で事業について話す人は少数なのです。自分の存在をなくした助成金目当ての人も少なくなく、なんか気持ちよくない感覚です。発表者が純粋な欲求が薄いにもかかわらず、支援する人が手法を一生懸命アドバイスするシーンは見ていると辛くなります。

2つ目は「主催者とスポンサーが本気か?」ということです。役割でやっている人もたくさん見てきました。心がはいってないので、発表者やスタッフ、会場の人の心を動かすことができなく、盛り上がらないイベントになってしまうのです。そして、お金の無駄遣いになっちゃうよ〜と思うのです。

3つ目は発表者と審査員のアンマッチ。たとえば、スタートアップと掲げているイベントなのに中小企業診断士は持っているがスタートアップを知らない人が審査員をしたり、肩書き重視で選ばれた審査員がまったくとんちんかんな質問がとびでちゃうこともよくみかけるスキルアンマッチ。ビジネス未経験者でもビジネスや人間の本質を見抜ける方がやったほうが全然よいと思ったりする。すごいチャネラー、すごい占い師、高級クラブのママさんとかが審査員の方が本質的でオモシロいと思う。審査員が本当に聞きたい質問を尋ねなかったり、本当はこの人はなにを求めているのかが見抜けないかったり、心や意識のアンマッチ。これもよくあります。

最後は目的が事業が生まれ、地域に貢献するというのも違和感を感じます。人をつくり(育み)、事業になり、結果、地域に貢献するほうがしっくりきます。人あっての事業だと思います。

違和感のあるイベントは僕の言葉でいうと「愛に欠けているイベント」「心がない、少ないイベント」です。

逆にエーゼロが仕掛けるローカルベンチャースクールは「愛に満ちあふれた学びの場」を目指しているのです。

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学びの場ってなにか?発表者が一皮むける。伴走する皆さん、エーゼロスタッフ、スポンサー、僕たちも一皮向けちゃうのです。まさに関わる人全員が成長する場なのです。

そのためにエーゼロ、スポンサーである役場の皆さん、そして僕たちメンターが
「本音で語れる場=安心安全な場をつくること」に注力している。
そういう場だからこそ、次のプロセスが進む。
1)本音の分かち合い
2)思い込みや思い違いに気づく(目が覚めるくらい)
3)本当の(ピュアな)欲求を探る
4)見つかる。見つからない場合もOK!
5)見つかった場合、今、本気か?助成金がなくてもやるか?地域とマッチするか?を対話
6)クリアした場合、手法レベル(誰とどういう方法でやるか)へ進み、現実的/本質的な実践につながる。

そして、メンターする人が実際に起業家として、人として日々格闘している。
例えば、牧大介さんは自らローカルベンチャーとして森のうなぎ、鹿肉、建築、不動産、ローカルベンチャー、ふるさと納税、などなど、多様な事業を同時にゼロから立ち上げきました。売上高は3.6億円。森の学校とエーゼロを合わせると、従業員55名で売上高約7億円のグループだそうです。まさに地域創成のネ申かと!
メンターの一人である菊永英里さんもロック式のピアスキャッチを発明/開発/販売する創業経営者でワールドワイドで累計65万個販売している凄い人。そして、自ら家族とともに西粟倉へ移住中。
そして、スキルだけでなく心もあるのです。
ちなみに、祐子さんと僕はどんなことをしているかというと、心とつながり、欲求やあり方に気づくキッカケやそういった空気をつくるお手伝いをやってます。とくに祐子さんは深い洞察力で、本質的な質問と氣づきをもたらします。(彼女の助言で、受けとった人(僕含めて多くの人)は大きく変わった。)

本気度合いはどうか?
牧さんは勿論、LVSに本気なのは当たり前ですが、エーゼロのスタッフ全員も本気に取り組んでいます。毎年スタッフみなさんが急激に役場の皆さんと信頼関係をつくりながら、めちゃ進化しているのです。わかりやすくいうと自分の存在が自然体でバーンとでまくっているのです。自信を持ち、いい意味のプライド持ち、取り組む姿は美しく感じます。

それから、僕が感動しているのは役場の皆さんの本気度です!厚真町、西粟倉村、マジ、やばいっす!底抜けに本気すぎちゃって!本気もベースが楽しさなので、お会いする度にエネルギーを頂く感覚になります。人間味もあって、また、会いたくなってしまう人たちなのです。彼ら、彼女らを見る度に日本の公務員の意識が変わったら、日本は急激に変わると思ってしまいます。

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LVSの醍醐味に欠かせないのは、LVS卒業生の存在の大きさです。順調に行っている経営者、藻掻き苦しむ経営者など様々いて、層になるようにその土地の文化形成をなしている。相互交流により、素晴しいご縁やアイデアが生まれたり、決してAIでは捉えられない貴重な情報が山のようにあったりする。そして、自然にチャレンジする人が地域でも増えだすムード、否定する人が少なくなる雰囲気をも感じるのです。

西粟倉LVS卒業生の渡部美佳さん(株式会社ミュウ 代表取締役)の近況はこちらです。

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厚真町LVS卒業生の西埜将世さん(馬搬林業家)の近況はこちらです。

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よくきく言葉に三流は財を残す。二流は業(事業、会社)を残す。一流は人を残す。」というのがあるけど、まさにLVSは「人を残す」活動だと思う。関わる人全員が学び、進化できる場(意志次第ね)だから。人がいなくては事業も生まれないし、心ある人が心ある事業を生み出すからね。

そういうLVS大好きです!LVS LOVE♡

大学院生の坂東優香さん(神戸大学大学院)からみたLVSです。興味ある人はぜひご覧下さい。

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