katchamanアート制作工程(その1)

この絵はどうやって描いているんですか?とよく聞かれることがあります。

僕は美大出身でもなく、人から絵を描くことを習ったことがなく、いろんな描き方の本やYouTubeをみて、研究して自分の形を作ってきました。本格的に研究しはじめたのは8年前くらいからです。 今まで、公開したことはなかったのですが、こんな風に描いてみたい!チャレンジしてみたい!という方がいたら嬉しいのでブログに書こうと思いました。


こちらの作品を例に制作工程を綴っていきたいと思います。

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まず文字の部分のデザインを作ります。僕がよく使うのはこのDAISOで買う【らくがき帳】

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【らくがき帳】で描いたデザインをトレーシングペーパーに写します。

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これを作品で使う用紙に【チャコペーパー】という特殊な転写紙で線をなぞり、転写します。

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そして、用紙はかなり今まで試したが、僕的には水彩・アクリルの場合はこの3つのどれかを使います。お値段はするのですが、僕の作品はこのようにブロックタイプ(20枚程度の水彩紙の四方をロウ付けもしくは糊付けし、ブロック状にしてある)の方が使いやすいです。水を使うので紙のたるみも和らげます。紙目(紙の表面)は中目を使います。

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いつもはマスキング溶液で白抜きしますが、今回はチャコペーパーで描いた文字やハートの部分を残し、周りを水を少しずつ浸しながら、色をぼかしていきます。

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いきなりこのプロセスに進んでしまうと分からなくなると思い、細かく描いてみたいと思います。上記の作品制作のときはまさか後でブログにアップすると思わなかったので、そのあと一回の撮影しかしなかったので下の二つの作品で進めますね。

まず、一つ目の作品はこちらです。完成までのプロセスをみていきます。

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僕の場合はパステル調のぼかす表現ではだいたい【不透明水彩】を使います。色は今回はこんな感じ。真ん中横一列の色をよく使います。

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紙のパレットに不透明水彩絵の具をのせます。
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そして、紙に水をこんな風に垂らします。
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僕の場合は水はこだわります。今回の二つの作品ではセドナとグラストンベリーで汲んだ聖水を使いました。もちろん、普通の水でも大丈夫ですが、僕の場合はお水とつながり描くのでインスピレーションが高まります。

垂らしたあとはすぐさま、刷毛で用紙全体を水で濡らします。

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ここからは時間との勝負。筆に絵の具つけて、インスピレーションに従い、絵の具を少し塗ってぼかしの状態をみて、他の色を塗っていきます。

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フォーカスするとこんな感じです。

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半乾きの状態から、綿棒(百均で充分)を使って

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【不透明水彩絵の具のパーマネントホワイト】に水をほんの少しつけて混ぜ、それを綿棒につけて

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こんな風に重ねて、白い点を押していきます。

白がぼかされていい感じになります。一気にこの作業を完了させます。

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予測不能のぼかしが表現できます。

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そして、最後はこの【ネイル用のドット】を描くペン。

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完全に乾いた状態の用紙に不透明水彩絵の具パーマネントホワイト(ほんの少しの水でとかす)でドットしていきます。乾かすのを早めるためによくドライヤーを使うことがあります。

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こんな感じに宇宙的な表現になります。

遊び感覚で細いプラモデル用の面相筆でちっちゃなUFO(絵の右下のように)を描いてみるのも楽しいです。

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もう一つの作品でもこのプロセスをみていきましょう。

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用紙全体に水を濡らした後、不透明水彩絵の具を筆につけて、こんな感じにインスピレーションに従い描く。ここは個性が出るところ。

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全体を塗り終えたところ。この作品はきれいな平筆で水を少しつけて放射線状に光放つ感じで線を入れました。

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綿棒でドットする

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綿棒ドットほぼ完了

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ネイル用ペンでドット

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すごいのは隣同志の色が重なりあって、美しい表現になってくること。

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ぼかしは簡単です。こんなのも簡単にできます。

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応用すればこんな感じにも表現できます。

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話を戻します。一番最初の作品。白抜きして、ぼかしを入れたあとは、不透明水彩で文字や♡をきれいに塗っていきます。

ハートの部分は下をぼかして(偶然そうなった)、その後に綿棒でドット、楊枝で小さなドットをいれました。

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額装するとさらに作品としてしっかりしてきます。
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マクアケ上場記念の作品としてコロナ自粛前にお届けしました♡
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☆ポイント

・用紙と水のなじみかげんが一番難しいのですが、ぼかしがうまくいかないなと思っても、諦めずにその後もプロセスを信頼して次の工程を進めてみましょう。

・次に難しいのが、スピードです。乾く前に色をつけることです。段取りよく、パレットに使いたい色を出して、筆洗い水、筆吹き(僕は使わなくなった温泉タオルを切って使います)をして次々と色をぬります。

・画用紙でもある程度はできるが、水彩専用の用紙の方がぼかしは上手くいく。

・頭で考えるよりも、感覚的に色を選んだら、描いてみる方がかえって偶然が創り出す奇跡を楽しめます。

・このやり方が正解というのがないので、自分でいろいろと試すことも新しい手法を見つける楽しみもあります。

 

作品創りにお役に立てれば嬉しいです♡

 

LOVE❤️